【work?holiday?】YMSってどんな制度?

ヨーロッパ旅行記

本ブログで詳細に解説していこうと思っている「YMS」。
「そもそも何?」「ワーホリと違うの?」といった疑問も多々あると思うので、まずはその部分から記載していこうと思います。
期間や発給枚数、自由度などの観点からYMSと他国ワーホリ制度との違いや、その優位性などなどお伝えできればと思います。

YMSとその歴史

YMSは「Youth Mobility Scheme」の略称で、直訳すると「若者の移動を活性化する為の制度」といったところでしょうか。
後述するように厳密には違うのですが、「イギリス版のワーキングホリデー的な制度」という解釈で大枠は間違いありません。
元々は日本とイギリスの間でも「ワーキングホリデー」として二国間のビザが発給されていたのですが、2008年に廃止されて以降はYMSという形で現在まで残っています。

※正式な定義は「GOV.UK」のサイトに載っているので興味がある方はご一読を。

ワーホリとの違い

次に、YMSの特徴について他国とのワーホリと比較しながら解説していきます。
YMSとワーホリは近しい制度であり、一見すると違いが分かり辛いのですが、厳密には違うものです。
ここを間違えると痛い目を見ることがあるとかないとか…。

① 制度の目的

ワーホリ(ワーキングホリデー)は「ホリデー」という名前が示すように、「休暇」を主目的とした制度で、休暇を楽しむ為の手段として労働を一部認めるという内容です。
日本と該当の国との間での協定次第ですが、例えば「フルタイムで働くことが出来ない」「語学学校に通える日数に上限があるといったように休暇以外の行動に対して何かしらの制約が掛かっていることがあります。

ワーキング・ホリデー制度とは、二国・地域間の取決め等に基づき、各々が、相手国・地域の青少年に対し、休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度です。各々の国・地域が、その文化や一般的な生活様式を理解する機会を相手国・地域の青少年に対して提供し、二国・地域間の相互理解を深めることを趣旨とします。

外務省「ワーキングホリデー制度」https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/working_h.html

一方、YMSはあくまで「労働」を目的とした制度であり、就労ビザの一種となります(Tier-5 Visa)。
実際に先ほども出てきたイギリス政府のサイトを見ると、「旅行」「相互理解」といった言葉は要件のページには見当たりません。

You can apply for a Youth Mobility Scheme visa if you:
・want to live and work in the UK for up to 2 years
・are aged 18 to 30 (or 18 to 35 if you’re from New Zealand)
・have £2,530 in savings
・have certain types of British Nationality or are from certain countries or territories listed in the eligibility requirements

GOV.UK「Youth Mobility Scheme visa」https://www.gov.uk/youth-mobility

小さいようで実はここが大きな違いのようで…YMSビザで渡英した人で、入国審査の際に「入国目的は?」→「観光!旅行!」と回答してしまいビザが2年から短縮されてしまった人がいたそうです。

② 期間

他国のワーホリビザが1年間を原則としているのに対して、YMSビザは2年間となります。
1年だと渡航後の生活にちょうど慣れた頃に終わってしまい、「語学の習得」を目的にしていた場合などは中途半端な状態で帰国という可能性も一定あります
「ワーホリ 帰国後」といったワードで検索すると、「帰国後の再就活で苦戦した~」といった記事がたくさん出てきて震えますね…。

一方で、YMSは2年あるので、元々の目的の実現に向けて本腰を入れて取り組むことが出来ます。
もちろん、上記の悩みは同じように抱えることにはなりますし、結局は2年間で何をしたかが問われることになると思うので自分次第です。
それでも、本気でやりたいことに取り組むのであれば期間が長いのはとても大きなアドバンテージですね。

③ 自由度の高さ

また、YMSの魅力の一つはその自由度の高さにもあります。
他国のワーホリビザと異なり就労、就学、観光など期間中の時間の使い方に関するの制約条件が一切なく、自由に2年間を設計することが出来ます(※)。
※ 「ビザそのものによる制約がない」という意味です。実際に求人を見ると「YMSビザの方の応募は受け付けておりません」というケースはあります。
実際にYMSでイギリスに来た人と話していると、「語学学校に通っている」「ヨーロッパ各地で旅人をしている」「ローカル企業で働いている」など本当に様々な過ごし方をしています。

④ 発給枚数

そんなYMSビザですが、一方ではその取得の難しさも有名です。
他国のワーホリビザは、枚数無制限や上限はあるけれど実質落ちることはないといった国が多い中、
YMSビザの発給枚数は年に1,500枚(2020年度までは1,000枚)ととても少ないのです。

発給枚数は少ない一方で、②③で記載したような理由やそもそものイギリスの知名度の高さから倍率が高く、「数年申し込んでやっと当選した!」というような方も稀ではないようです。
(かく言う自分も2度落選して、3度目で当選して今に至ります)

まとめ

ざっくりですがまとめると以下の図のような感じでしょうか。
前提として貴重な人生の一部分を費やす訳なので、「何の為にどこに行くか」を考えて意思決定をすることがまずは非常に重要です。

とは言え、いざチャレンジしてみたら目的ややりたいことが変わったりすることも往々にして起こりうると思います。
そんな時に2年間の中で自由に設計や計画の修正が出来るYMSの制度は魅力的ですね。

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