旅行でも移住でもまず初めに知る必要があるのが交通手段。シンプルなら良いのですが、そこは大都市ロンドン。路線数も多く、日本とは違う料金の仕組みなどもあり、私自身仕組みを理解して慣れるのには時間がかかりました。
という訳で、これを読めばロンドンの公共交通機関の仕組みが分かる!そんな記事を目指して概要や料金の仕組み、さらには交通費の節約方法まで一気にまとめていきます!
ロンドン市内の公共交通機関
バス
ロンドンのバスと言えば、この二階建ての赤いバスをイメージされる方も多いのではないでしょうか。日本と同じ一階建てのバスがメインの路線もありますが、中心部ではイメージ通りの二階建てバスが走っています!
基本的にバスに乗り継げばロンドン市内は多分どこにでも行けます。と言うくらいには頻度も路線数も多いのが特徴です。路線図を載せようと思ったのですが、細かすぎたので断念します…。興味のある方はこちらのバス路線図(外部サイトに飛びます)でご確認ください。
ただし、中心部に近づくほど渋滞などの影響で遅延も発生するので、バスを利用した移動の場合は時間に余裕を持つようにしましょう。
地下鉄(Tube/Underground)
この赤い丸がロンドンの地下鉄の目印です。実は世界最古の地下鉄とも言われており、最初の路線は150年以上前に開通したそうです。その後も路線は増え続け、直近では2022年の夏にエリザベス女王の名を冠したElizabeth Lineが開通し、さらに利便性が向上しました。
因みに、ロンドンではMetroやSubwayとは呼ばずに、TubeあるいはUndergroundと呼んでいます。アメリカ育ちの方はご注意を!(絶対通じるとは思いますが)
Overground
Undergroundに対してのOverground。ということで主に地上を走る電車です。2007年に開業した比較的新しい路線で、地下鉄がカバーし切れていないエリアやルートを網羅するように設計されています。
2024年以前はOvergroundという一つの名称で複数の路線が運行していましたが、2024年に各路線に名前が付くことが発表されました!どこまで根付くのかは分かりませんが、識別しやすくなることは間違いないですね。また、それに伴ってこれまで同じオレンジ色で表されていた各路線も地下鉄のように色分けされていくようです。
各交通機関の運賃
ここでは一番気になるであろう運賃についてまとめていきます。バスと電車では運賃のルールが異なるのでご注意ください。
また、これらの運賃の支払いはOyster Card(Suicaのようにチャージして使うカード)、あるいはコンタクトレスカードで可能です。地下鉄は紙のチケットは券売機で購入できますが割高になりますし、バスに関しては現金での支払いを受け付けていないのでご注意ください。詳細は別の記事にも記載しているのでご覧ください。
【バス】運賃の決まり方(60分ルール)
バスの運賃はシンプルで、乗る距離やZone、Peak Timeなどは関係ありません。乗車時にOyster Cardかコンタクトレスのカードをタッチして、£1.75の運賃が差し引かれます。
また、支払いから1時間以内であれば別のバスに乗り継いだとしても料金は発生しません(二本目のバス乗車時に再度タッチする必要はありますが、タッチしても料金が引かれない仕組みになっているので安心してください)。
一日当たりの上限金額も決まっており、£5.25以上は引かれないようになっています。つまり、同日内で4回目以降の利用は料金が発生しないということです。こちらも60分以内の乗り継ぎと同様に、タップした時に「£0.00 diducted」といった表示になり、制限が自動でかかるようになっています。
【電車】Zone制について
バス以外の電車(Tube、Overgroundなど)では各駅毎にZoneが定義されています。例えば、ビッグベンやウェストミンスター寺院の最寄り「Westminster」駅はZone1、テニスの聖地「Wimbledon」駅はZone3というような感じです。日本とは異なり、「どの駅からどの駅に移動したか」ではなく「どのZoneからどのZoneに移動したか」で料金が決まります。
どの駅がどのZoneに割り当てられているかは、TfLの公式サイトから駅検索、あるいは路線図を見ることで確認出来ます。路線図のURLはこちら(TfLのサイトに飛びます)。
また、Overgroundは地下鉄と同じようにZoneで分けられています。なので、地下鉄⇔Overground間での乗り継ぎでは特に追加での運賃は発生しません(= Zone1からZone3まで地下鉄だけで移動した場合でも、地下鉄&Overgroundで移動した場合でも同一運賃)。
【電車】Peak TimeとOff-Peak
日本でもポイントを付与するなどして、混雑分散の為にオフピークでの電車利用を推奨する動きが所々で見られます。ロンドンではこの考え方が直接運賃に反映されており、Off-peakで利用した方が大幅に安くなります。
TfLのサイト(外部サイトに飛びます)にはPeak/Off-peakの条件が以下のように記載されています。
- Peak fares – Monday to Friday (not on public holidays) between 06:30 and 09:30, and between 16:00 and 19:00
- Off-peak fares – at all other times and if you travel from a station outside Zone 1 to a station in Zone 1 between 16:00 and 19:00, Monday to Friday
概念としては分かりやすく、平日朝夕の通勤時間帯(6:30~9:00と16:00~19:00)はPeak Timeの運賃が適用されます。ただし、一部例外があり「夕方のPeak Time(16~19時)のZone1以外→Zone1への移動」のみOff-Peakとみなされます。少し伝わり辛いかもしれないので以下の図をご覧ください。
朝のPeak Timeは例外はないので、どのパターンでもPeak料金が適用されます。一方で夕方のPeak Timeは先ほど述べたパターン(下図だとZone 3 → Zone 1)のみOff-Peak料金で乗車することが出来ます。
因みに、夕方のPeak TimeのZone1→Zone1の移動は通常のPeak料金となります。乗る距離が長い方が安くなるという少し不思議な現象が発生します。
交通費を節約する為のTips 3選!
ロンドンで交通費を節約する際のポイントはPeak Timeの移動をいかに工夫するか、です。なので、ここからは主に地下鉄の料金を節約する為のTipsを幾つか紹介していきます。一回一回の効果は小さいかもしれませんが、塵も積もれば何とやら、です。
① Peak timeを避けて利用する
「Zone制と運賃」の欄でも記載したように、Peak Timeか否かで運賃が大きく変わります。なので、当たり前ですがPeak Timeを避けることで節約が可能です。
例えばZone4→Zone1の移動であれば、
・6:45の地下鉄で通勤している → 頑張って早起きして6:30までの地下鉄に乗る!
・9:50の地下鉄でセントラルに遊びに行く → 10:00過ぎの地下鉄にする!
というように少しだけ時間をズラすだけで1回で約200円の節約となります(£4.40→£3.20)。
もちろん、毎回Off-peakを狙うのは生活に支障が出ると思うので、時間に余裕がある時は心がけてみると良いのではないでしょうか。
② バスを積極的に利用する
Zone制・Peak Timeによる運賃の決定は鉄道のみで、バスには適用されていません。ロンドンはバスも無数に走っているので、バスだけでも目的地には辿り着くことは出来ると思います(多くの場合は地下鉄よりも時間がかかるとは思いますが…)。また、60分以内であれば乗り換えOKというバスのルールを活用し、バスメインのルートにすることで交通費を節約することが可能です。
以下は一例で、私が実際に通勤したルートの料金比較です(北部のZone5から北西部のZone5への移動)。左がPeak Timeの地下鉄(£5.10)、中央がOff-peakの地下鉄(£3.50)、右がバス(£1.75)となっています。
地下鉄の場合は一度Zone1を経由しなければならないこともあり、それなりの値段がします。バスは乗り継ぎが60分以内ギリギリだったので遅延すると£1.75×2で£3.50となるのですが、それでもPeak Timeの料金よりは安いです。ただし、早起きは必要でしたが…。
③ Rail Cardのディスカウントを活用する
もし今この記事を読んでいる方が31歳未満であれば、Rail Cardの作成をオススメします!簡単にお伝えすると、Rail Cardというサービスを利用することで1年間、地下鉄のOff-Peak料金が30%オフになります。一回の利用で£1以上は節約することが出来るので、Rail Cardの年会費(£30)はかかりますが、容易に元を取れるんじゃないかなと思います。
詳しくは以下の記事にまとめているのでそちらをご覧ください。
まとめ
日本の交通機関と比較して違う部分も多々ありますが、ロンドンの公共交通機関は比較的整備されている方だと思います。バスと地下鉄、Overgroundを乗り継げば基本的にはどこでも行けるからです。ぜひ今回の情報を参考にしていただきつつ、快適かつオトクにロンドンの公共交通機関を活用してみてください!
ロンドンの場合はGoogle Mapでも乗り換え検索は可能ですが、運賃や遅延情報なども反映されるCitymapperというアプリが便利です。無料のアプリで私も渡英直後から二年以上使っていますが、特に不便なく使えているのでおススメしておきます。
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