ロンドンにやってきて早4か月が経過しました。住み慣れて生活は多少落ち着いてきたので、ここまでを振り返る意味で幾つか記事を書いてみようと思います。
「ロンドンは生活費が高い!」
という話はちょっと調べただけでもたくさん出てきます。
実際に4か月暮らしてみて、確かに高いと感じるものは多々あります。が、意外とそうでもない部分や少し工夫をすることで節約できる部分も多々あるのでその辺りをリアルな情報としてお伝えできればと思います!今回は食費についてです。
ロンドンの外食事情
まず「外食は間違いなく高い」です。
※ 給与水準や物価全体とのバランスなどの要素は無視して、シンプルに食費を日本と比べているのであしからずご了承ください。
残念ながら£と¥の為替の状況なども相まって、ロンドンで外食時に脳内で円換算をすると、不思議なことに食欲がどこかに消えていきます。
では、より具体的にイメージする為に日本でのランチを想像してみてください。
牛丼やハンバーガーなどのファストフードが候補として挙がると思います。それらであれば600~700円あれば大盛やセットでお腹いっぱいになれて、1,000円あればそれなりの定食にありつくことが出来ると思います。また、お弁当やカフェのランチセット、あるいは「ワンコインランチ」などなど、500円で十分満足できる素敵なお店もたくさんありますね。
一方、ロンドンには500円で店内でランチが食べられる場所は恐らく存在しません。笑
ランチで「普通のもの」を食べたい場合は、£10~が目安です。
因みに、有名なビッグマック指数的な観点で比べてみると、
・日本: 450円
・ロンドン: £ 4.59 (= 836.42円)
というような物価の差があるようです(2023年9月時点のレート)。£1=100円だったらいいのに…。
日本(https://www.mcdonalds.co.jp/products/1210/)
イギリス(https://mcdonalds-menu.co.uk/)
これは私の感覚値ですが、日本と同水準のものを食べるには1.5倍くらいの料金がかかる気がします。
私見まみれの表&日本も物価上昇が続いているようなので、時が経つにつれて実態とずれていくとは思うのですが、このようなイメージです。
実際に下の写真の「コーヒー&ブルーベリーマフィン」「トマトパスタ&コーラ」、それぞれいくらすると思いますか?
答えは、「コーヒー&ブルーベリーマフィン」が「1,100円」、「トマトパスタ&コーラ」が「2,500円」です。どちらも高級なお店に入った訳ではありません。また、勘違いして欲しくないのですが、決して「高い!」と非難している訳ではなくてこれが普通であるということです。
何となく相場感が伝わっていたら嬉しいです。
ロンドンの自炊事情
ここで朗報です。生鮮食品は日本と同水準、あるいは安いものもたくさんあります。
ニンジン、玉ねぎ、ジャガイモ、牛乳などは日本よりも安いなあと感じることが多いですし、パンも日本と比べて種類も豊富で安いです。
また、日本では見かけない農作物などもたくさんあるので自炊ライフも楽しいです。
ニンジンはこれだけ入って50ペンス(= 約90円)、玉ねぎも日本の一パックと同量以上くらいのボリュームで85ペンス(= 約160円)なので、日本よりも全然安い説があります。また体感的には果物も安いんじゃないかなと思います。イチゴやブドウが大体£2.0~2.5で売っているので、400円弱という感じです。もしかすると、普段から自炊をメインにしている人にとっては食費はそこまで気にならないかもしれません。
食費を節約するポイント
とは言え、「旅行で来たので自炊は出来ない」「自炊ばかりも飽きるから外食もしたい!」というような場合に、自炊以外の方法で食費を節約するポイントやサービスを3つご紹介します!
Meal Deal(軽食セット)
イギリスではMeal Dealと呼ばれる軽食セットが一般的なものとして、スーパーではまず間違いなく、ドラッグストアや一部レストラン(価格帯は全然変わりますが)でも見かけます。
以下の主食、スナック、飲み物から1つずつ選ぶ形式のことを指す場合が多いです。
メイン:サンドウィッチやチキンラップ、パスタサラダなど。お寿司も見かけます。
スナック:ポテトチップスやチョコレート、カットフルーツ(リンゴ、パイナップルなど)など
飲み物:水やオレンジジュース、スムージー、炭酸飲料などのペットボトル
値段は店により異なりますが、スーパーやドラッグストアであれば£5以内が多いと思います。また、値段の割に主食の各メニューは意外と種類とボリュームがあるのでコスパは抜群です!ランチで食べる人が多いイメージですが、一日中売っているので朝や夜ご飯にするのもありです。
上の写真はそれぞれTescoとSainsburyでミールディールを利用した時のレジの画面です。単体で買う場合と比べて£3ほど割引されています。毎日この食事だとさすがに飽きるかもしれませんが、そこまでお腹は空いていない場合やちょっと節約したい時には手軽なオプションです。
Take away(持ち帰り)
中学英語の教科書で必ず出てくる「For here or to go?」のやつです。今でもあるんですかね…。
イギリスでは「to go」とはあまり言わず、「take away」と言うことが多いです。勿論通じますが。
という余談は置いておき…、イギリスの消費税的なものはVAT(Value Added Tax; 付加価値税)と呼ばれていますが、対象によって税率が大きく変わってくるのが特徴です。日本でも消費税が10%に上がったタイミングで「軽減税率」という概念が生まれて、外食した際に「イートインは10%、テイクアウトは8%」となりましたが、これと同じことがイギリスでももっと極端な価格差で起きているのです。
カフェや店頭のメニューをよく見てみると、「Dine in:£△、Take away:£□」と書いてあり、Take awayの方が必ず安いです。店内ではなく、持ち帰りにすることで一回一回は小さいですが、確実に節約になります。
下の写真はイギリスのチェーンのカフェ(Pret a Manger)の食品類の値段です。例えば、2枚目の写真だと£5.99が通常の持ち帰り時の価格で、£7.20が通常の店内飲食時の価格です。£1.2なのでこれだけで200円以上も変わってくることになります(その右の£4.79、£5.76は会員価格です)。
余った食品を安くゲット!Too Good To Go!
これはToo Good To Go(サービスのWebサイトに飛びます)というサービスを利用することで食費を節約できますという話です。簡単に説明すると、「売れ残り(=廃棄)が発生しそうな店舗と安く食品を購入したい消費者を繋ぐプラットフォーム」です。イギリスだけでなくヨーロッパの他の幾つかの国でも利用できるようです。
では、どのようなサービスなのでしょうか。まず、売れ残りが出そうなお店が通常より大幅に安い価格で募集をかけます。そして、それを見たユーザーがアプリ上で予約・決済まで行い、指定された時間にお店に取りに行くだけです。
ユーザーとしては「通常より安い価格で食品が手に入る」、お店としては「廃棄せずに販売することが出来る」というWin-Winの仕組みです。そして、忘れてはいけないのはこのアプリがなければ廃棄されていた食品が消費されたということです。利用者の感覚としては、アプリ上で安く商品を購入しただけなのですが、何となく良いことをした気持ちになります。
また、実際に受け取るまで何が入っているか分からないというのも面白いポイントの一つです。概要は書いてあるので、「パンかな」「総菜かな」というレベルでの想像はつくのですが、実際に何がどのくらい入っているのかは未知数です。場合によっては当たり外れがあったり、気分に合わないものが入っている可能性も勿論あります。ですが、殆どの場合は定価で購入できる量よりは多い量の食品で構成されているので大体はオトク感を得られます。
私が過去に利用したものだと、
・チェーンのカフェ(Greggs): 約£8~10のパン(食パン一斤+パイ×2+クロワッサン)→ £3
・別のチェーンカフェ(Pret a Manger): £20の食品類(バケットサンド×2+生ハムサンド+ファラフェルサラダ+ベリーヨーグルト+パンオレザン)→ £5
・近所のローカルカフェ: 約£10~12のベーカリー(ピザスライス1枚+キッシュ+クロワッサン)→ £4
・テイクアウェイのローカル日本食(Wasabi): 約£15ほどのお寿司(2箱)+枝豆→ £5
などだいぶお得なことが伝わると思います。
食費を浮かせるだけでなく、ドキドキ感を楽しみながらフードロスも減らせるToo Good To Go、ぜひ一度試してみてください!
まとめ
「ロンドンの食費は高い」
事実ではありますが、一方で自炊を中心に生活していけばそこまで心配することなく暮らしていけるかなというのが4か月住んでみての所感です。とは言え、ずっと自炊しているのもつまらないのでたまには外で良い物を食べたり、外でご飯を楽しむ時と地に足を着けて自炊する時などのメリハリをつけて暮らしていくことが大事かなと思います。
外食が高いということやVATという仕組みからも、「人が関わるサービスに対しての価値」が日本よりも大きいんだろうなあと思います。ただ高い、安いだけでなくそういう考え方や文化が滲み出ているのかなという推測でした。
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