先週の週末にロンドンからブルガリアは首都ソフィアに2泊3日で旅行をしてきました。
食事以外の諸々(観光、交通、歴史…etc)は前回の記事でボリューミーに紹介しましたので、興味がある方はチラ見してみてください!
こちらの記事では、実際にソフィア滞在時に食べた料理やレストランを紹介できればと思います。主にはソフィアに旅行を考えている方や「ブルガリアって本当にヨーグルトなの?」と思っている方にとって有益な情報になれば幸いです。
ブルガリア料理の特徴
まずは概論的な話を少しだけ。
ブルガリアはルーマニア、セルビア、北マケドニア、ギリシャ、トルコと多くの国と国境を接しています。日本は隣国である中国や韓国と海を挟んでおり、基本的には異なる歴史を歩んできましたが、東南ヨーロッパは共通の歴史や文化を持つことも多いです。
なので、ブルガリア料理もギリシャやトルコ料理の影響を大きく受けています。食文化を考える時に、他国の料理と重なる部分や同じようで独自の発展を遂げた部分など、そういう観点で比較してみるのも面白そうですね。
内装も料理もGood!~ Hadjidraganov’s Houses Restaurant
ではここから、私が実際にソフィア滞在中に行ったレストラン、カフェの軸で実際に食べたブルガリア料理とその感想を紹介していければと思います。
まず一店目は「Hadjidraganov’s Houses Restaurant」です。Serdikaからも徒歩15分ほどで行くことが出来ますが、メトロ2番線のLavov Mostが最寄り駅のようです。
初日のランチで訪問したのですが、ブルガリアンがよく分からない自分でも「あー、ブルガリアンだね」となるとても雰囲気のあるお店です。
飲むヨーグルト?― アイリャン (Айрян/Ayryan)
アイラン(айран/Ayran)とも言うそうです。どこからどう見ても、見た目は完全に飲むヨーグルト。
ただ「日本のブルガリアの飲むヨーグルト」(ややこしい書き方)だと思ってゴクッといくと
ちょっとびっくりします(しました。笑)。
甘みが一切なくしょっぱいのです。
どうやらレシピは、ヨーグルトを水で割って食塩を加えて作られるものらしく。
これに関しては「美味しい」も「まずい」もなく、とてもシンプルな飲み物です。
家で作ってみて貰えれば多分高い再現度で手軽に味わえます。笑
因みに、アイリャンはレストランだけでなくスーパーにもたくさん置いてあります。それだけポピュラーな飲み物なんですね。
そして、スーパーには「日本のブルガリアの飲むヨーグルト」的な甘いものもあります。
(左の写真の青い方はレストランと同じですが、ブルーベリーの方は完全にベリー味の飲むヨーグルト!)
BILA、Lidlなど、ソフィアのどのスーパーでもこのメーカーのアイリャンは置いてあったので、レストランで注文する前にまず手軽に試してみるのもありだと思います。
ブルガリア風ヨーグルトサラダ― スネジャンカ (снежанка)
やはりヨーグルトが続きます。笑
前菜として食べるヨーグルトサラダといったところでしょうか。
水気を絞ったヨーグルトにキュウリ、ニンニクを混ぜて塩コショウで調味し、ディルをかけるのが一般的なようです。私が行ったレストランではクルミもかかっており、アクセントとして良い味を出していました。
私が食べたお店は塩コショウも控えめでヨーグルトの風味がダイレクトに来て、キュウリの食感を楽しみながらつまむような感じです。前菜にピッタリのシンプル系の料理ですが、一人だと絶対最後は飽きます。笑
数人で頼んで前菜としてシェアするならさらっと食べることが出来てとても良い一品だと思います。
※ 我らが誇る明治ブルガリアヨーグルトからもレシピが紹介されているので興味がある方はぜひ作ってみてください!クルミは絶対あった方が美味しいと思います。
https://www.meijibulgariayogurt.com/recipe/detail-74.html
肉と野菜のトマト煮込み― カヴァルマ (Каварма / Kavarma)
そしてメイン料理はカヴァルマを頼みました。野菜と肉(鶏だったり豚だったり。こちらのお店は豚肉でした)をトマトベースで煮込んで最後に卵を載せてオーブンで焼いた一品。
というレシピを見ていただければわかると思うのですが、美味しいです!この組み合わせで外れる訳がないですね。
味付け自体も恐らくシンプルですが、トマトの酸味だけが際立つような感じではなく、野菜の甘みやスパイスで各具材にきちんと味が付いておりとても美味しかったです。そして小さな土鍋で出してくれたのも嬉しい&美味しいポイントです。家庭料理的な優しさが滲み出てホッとする一品でした。
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というのが初ブルガリア料理でした。
因みに、これら3品で24 lv(2000円弱)でした。恐らく観光客がたくさん来るようなお店ではありましたがこの価格でお腹いっぱいになれるのであれば十分コスパが良いお店かなと思います。
Hadjidraganov’s Houses Restaurant
住所: “Kozloduy” St 75, 1202 Sofia Center, Sofia, ブルガリア
アクセス: メトロ2番「Lavov Most」から徒歩5分
営業時間: 11:30~23:30 (L.O. 22:30)
予算: 20 lv ~30 lv
HP: https://www.kashtite.com/en
揚げパンとコーヒーで朝食を~ Mekitsa and Coffee
おはようございます。という訳で2日目の朝ごはん。
朝からしっかりブルガリア成分を補給していきます。
ブルガリア式揚げパン― メキッツァ (Мекица / Mekitsa)
揚げパン…懐かしい響きです。給食で出たきな粉揚げパンを初めて食べた時は衝撃でした。今もあるんでしょうか。
というのはさておき、ブルガリア風の揚げパン、メキッツアを朝食にいただきました。
トッピングはストロベリージャム&クリームチーズという甘党悶絶の組み合わせをチョイスしましたが、しょっぱい系のチョイス()も可能なようでした。
食感は外側はサクッ、内側は軽めで想像していたよりは重くなかったです。揚げパンと比較するのであれば、もう少し食感が軽くて食べやすいです。
とは言え、揚げ物なので食べ終わる頃には朝食としてはお腹いっぱいという感覚。
良い一日のスタートが切れそうな朝食でした。
Мекица и Кафе (Mekitsa and Coffee)
住所: ul. “Graf Ignatiev” 28, 1000 Sofia Center, Sofia, ブルガリア
アクセス: メトロ3番「St. Partriarch Euthymius」駅から徒歩5分、トラム10,12,18番「Pl. Slaveyko」すぐ
営業時間: 8:00~19:00 (平日)、9:00~19:00 (休日)
予算: 5 lv ~10 lv
HP: https://mekitsa-and-coffee.business.site/
地元の人たちが集う食堂~ Contessa
2日目のランチは再度ブルガリア料理にチャレンジ!
中心部のSerdikaから一駅だけ西に行ったOpaltchenskaから歩いて5分ほど、公園の一角に店を構えるContessaへ。
中に入ると既ににぎやかな雰囲気が。
割と年齢層が高めの方々が大人数でテーブルを囲んでいました。観光客と思しき装いの方も多少はいましたが、多くのお客さんは地元の人たちなんだろうなあと思います。
ローカル感あふれるそんなお店でいざブルガリアンな料理を!
まさかのヨーグルトスープ― タラトール (Таратор / tarator)
今日も前菜はヨーグルトシリーズ。笑
こちらも事前に調べていたヨーグルトの冷製スープ、タラトールを注文しました。
キュウリと塩をオリーブオイルで和えて、伸ばしたヨーグルトでスープにした料理です。
そして、ここまで読んでいただいた方は分かるかと思うのですが、前日に食べたスネジャンカのスープ版です。笑
味も皆さまの想像通りです。個人的にはスネジャンカの方が、クルミが載っていたりもう少し味がしっかりめに付いてたりして好みだったかなという感じ。
でも、ブルガリア料理を語る上では外せない一品(調べたら必ず出てきます)だと思いますし、あっさりめが好きな方は前菜の一品としてぜひ試してみてください。
バルカン半島各国の人気料理― ムサカ (мусака / Musaka)
そしてメイン①はムサカを注文しました。
野菜や肉を重ねてオーブンで焼いた料理を指し、ムサカという名前の料理自体はどうやらブルガリアだけでなく、ギリシャやトルコなど地中海やバルカン半島各国でポピュラーなもののよう。
ブルガリア料理としてのムサカの特徴は、ジャガイモが入っている点とヨーグルトが添えられている点とのことです。
いざ食べてみると…美味しい。
ジャガイモとひき肉はしっかりめにスパイスで味付け(とはいえ癖が強かったりはしない)されており、食べ応え十分です。また、途中で少し口をさっぱりさせたい時にヨーグルトと一緒に食べると全体がマイルドになり良い感じ。
上の生地みたいな部分は卵と恐らく小麦粉を混ぜて焼き上げたような感じで食感のアクセントに。
ギリシャやトルコのムサカはジャガイモではなくてナスが入ったり、ホワイトソースが入ったりとまた少し違うもののよう。そちらも美味しそうなので機会があったら食べてみます。
ワイルドな美味しさ― ケバプチェ (Кебапче / Kebapche)
メイン②はケバプチェを。
こちらは細長いハンバーグといった感じでしょうか。ひき肉を丸めて伸ばしてスパイスをふって焼き上げたシンプルな料理です。
スパイスで味がしっかりめについており、写真からも分かるようにこの焼き加減が絶妙でとても美味しかったです。ただ、人によっては脂っこいと感じてしまうかもしれません。私も途中からは付け合わせのキャベツや手前のトマトソースをつけながら食べました。
こちらもとてもシンプルな料理なのですが、スパイスの味付けと焼き加減による食感で満足感溢れる一品でした。
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以上が2日目のブルガリア料理チャレンジでした。
メインを二品頼んだのはなかなかの賭けでしたが、ギリギリ食べきることが出来ました。そして値段の安いこと。これら3品+飲み物で21 lv(1,700円弱)です。
地元感が溢れるとても素敵なレストランでした。
Contessa
住所: Pirotska St 78, 1303 Sofia, ブルガリア
アクセス: メトロ1,4番「Opaltchenska」駅から徒歩5分
営業時間: 12:00~23:00
予算: 15 lv ~25 lv
ブルガリア料理以外のお店たち
両日ともランチにブルガリア料理をお腹いっぱい食べたので、夜は別のものを食べました&カフェにも立ち寄ったので最後に簡単にご紹介しておきます。
ボリューミーなハンバーガーとサクサクオニオンフライ― Boom Burgers & Booze
初日の夜もブルガリア料理をと思っていたのですが、狙っていたお店が満席で断念。
近くにあったこちらのハンバーガ―屋に入りました。
事前にレビューで「バーガーもだけどオニオンリングが美味しい!」というのを見ていたので、「STONER’S DELIGHT」というハンバーガーにオニオンリングセットで注文しました。
まずオニオンリングが来たのでつまんだのですが、確かに美味しかったです。サクサクとカリカリの中間くらいまでしっかりめに揚がっており、食感も玉ねぎの甘みもGoodでした。
そしてメインのハンバーガー。ビーフパティの上に、ベーコンそしてその上にモッツアレラチーズのフライが載っているボリューム満点のハンバーガーでした。一方でソースはさらっとしていたので、肉の旨味を感じながらいただきました。
Boom Burgers & Booze
住所: Tsar Osvoboditel Blvd 12, 1000 Sofia Center, Sofia, ブルガリア
アクセス: メトロ1,4番「SU Sv. Kliment Ohridski」駅から徒歩5分
営業時間: 12:00~22:00
予算: 15 lv ~25 lv
HP: https://boomburgers.com/
軽食にぴったりのフォカッチャ― Focaccia Pizza
2日目も昼ごはんを食べ過ぎて、あまりお腹が減っていなかったのでこちらのお店でテイクアウトで晩ご飯にしました。場所は中心部から南に下った目抜き通りのヴィトシャ大通り (Vitosha Boulevard)にあり、Serdika駅から歩いて5分ほどで到着します。
Focaccia Pizzaという店名ではありますが、フォカッチャですね。ショーケースから覗く姿が美味しそうです。メニューは「マルゲリータ」「ハムチーズ」「クワトロフォルマッジ」といった各種フォカッチャがメインです。そして、この大きさの割に3 lv (= 180円ほど)ととてもリーズナブル!
私はハムチーズを食べたのですが、思い出補正もあるとは思いますが、ローマで食べたフォカッチャには及びませんでした。でも普通に美味しかったです。そして一枚で十分お腹はいっぱいになりました。笑
また、温め直したりはなく冷えた状態だったのがちょっと残念でした(もしかしたら頼んでみればやってくれるかも?)。
余談ですが、この通りは他にもピザのテイクアウェイのお店が結構ありました。ぜひ色々見比べながらトライしてみてください!
Focaccia Pizza
住所: Vitosha Blvd 9, 1000 Sofia Center, Sofia, ブルガリア
アクセス: メトロ1,4番「Serdika」駅、メトロ2番「Serdika Ⅱ」駅より徒歩5分ほど
営業時間: 7:30~20:30?
予算: ~5 lv
エクレアで一休み― Coffee Syndicate
こちらは中心部に位置するカフェです。
コーヒー豆を好みに合わせて3種類から選べたり、スイーツの種類(特にエクレア)が豊富です。また店内はテラス席や二階席もあり、とても居心地の良い空間でした。
私はエチオピアのコーヒー豆でドリップコーヒー、そして「ラベンダー&ホワイトのエクレア」を食べました。ドリップコーヒーは少し薄かったような、私の好みかもしれませんが。
エクレアはサクッとした軽い生地にクリーム、そしてラベンダーが練りこんであるホワイトチョコが絶妙なバランスでとても美味しかったです!
エクレアは「抹茶&ブルーベリー」「レモン&クルミ」など気になる味がたくさんありました。
中心部からも近い場所にあるのでぜひ少し歩き疲れた際は立ち寄ってみてください!
Coffee Syndicate
住所: Moskovska St 3, 1000 Sofia Center, Sofia, ブルガリア
アクセス: メトロ1,4番「Serdika」駅、メトロ2番「Serdika Ⅱ」駅より徒歩8分
営業時間:
8:00~18:00 (月~水)、8:00~22:00 (木, 金)、
9:30~22:00 (土)、10:00~16:00 (日)
予算: 5 lv ~10 lv
HP: https://mentalsyndicate.com/en/coffee-syndicate-2/
まとめ
ブルガリア料理(+α)、いかがだったでしょうか。
世界三大料理の一つであるトルコの影響を多分に受けているだけあって、想像していたよりも美味しかったなあというのが素直な感想です!
特に煮込み料理のカヴァルマ、オーブン料理のムサカは大満足の味でした。スパイスによる味付けとトマトなどの優しい風味が私にとっては良い具合の料理たちでした。
一方でもしかすると肉料理系は少し脂っこく感じてしまう可能性があるので、ヨーグルトによる整腸作用に期待しましょう。
ヨーグルトはたくさんありつつも、それだけではないブルガリア料理の世界。残念ながら日本で食べることが出来る場所ゼロではありませんが少なそうです。ただし、スパイスなどはネット通販で手に入れることが出来るよう(もちろん我らが明○ブルガリアヨーグルトも)なので、こんな味なのかなあと想像を巡らせながら作ってみるのもまた楽しいでしょう。
以上ブルガリア旅行、食事編でした!観光編ももし良ければ読んでみてくださいねー。
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