日本食。海外に住んでいるとやはり恋しくなります。1~2週間の旅行であれば全然我慢できるのですが、長期で暮らしているとやはり体が定期的に醤油や味噌を求め出します。
しかし、ただでさえ食費の高いロンドンでは本気の日本食を食べに行くとあっという間に財布が空になってしまいます。そこで今回は、ロンドンで気軽に食べられる日本食をまとめていきます。様々な角度からロンドンの日本食事情をお伝えしていきますよ!
※ 勿論ロンドンには高級で美味しい日本食レストランも多々あります。しかし、私には縁遠い存在なので、この記事では一人でもフラっと入れるような日本食レストラン、テイクアウトのお店を中心に紹介していきます!
ロンドンで食べられる代表的な日本食
初めにロンドンで食べることが出来る日本食を紹介していきます。そもそもどういった日本食がロンドンまで伝わっているのでしょうか。
お寿司
日本代表の先鋒はやはり「お寿司」です。高級路線から少しカジュアルな雰囲気まで、街を歩いているとSushi Restaurantは数多く見られます。また、レストランだけでなくどのスーパーに行っても手軽なランチの選択肢としてサンドウィッチやバケットサンドの横に寿司が並んでいることが多いです。笑
ただし、具材や種類は全く異なります。日本のように赤身や白身、青魚など様々な生魚を食べることは難しく、生魚の握りは9割以上がサーモン(極まれにマグロ)です(日本人がやっている本格的な寿司レストランを除く)。では、他に何のお寿司があるのかと言うと、
・アボカド巻き(アボカドとサーモンやマグロの巻き寿司)
・クランチロール(フライドオニオンを海苔の代わりにくっつけてスパイシーに味付けした巻き寿司)
・ビーガン寿司(パプリカを魚に見立ててシャリの上に載せたもの、など)
中にはSushiとパッタイ、タピオカミルクティーなどのアジア料理を一緒に出すAsian Fusionなお店もあります(まだ怖くて入ったことはないですが)。気になる方はぜひトライしてみてください。
ラーメン
「ラーメン」も代表的な存在としてロンドンで君臨しています。では、何味がロンドナーたちに好まれていると思いますか?
答えは、「豚骨」です。独特の臭みがあり、醤油や塩と比べて癖が強いとは思うのですが、意外とロンドナーにははまっているようです。下で紹介していくように、現地在住の日本人が運営しているお店、現地の方が運営しているお店、日本のチェーン店など様々なラーメン店がロンドン市内にあります。
そして、なんと外食に留まらず、ロンドンでは「出前一丁」を容易に手に入れることが出来ます!日本食スーパーやアジアンスーパーだけでなく、大きめの店舗であれば現地のローカルスーパーでも大体置いてあります。驚くことに日本より何故か種類も多く、上の写真ではChicken、Beef、Tonkotsu、Sesami、Shrimpの5食が勢ぞろいしています。因みに、スーパーで一番よく見かけたのはChickenです。多分宗教的な理由でやはりChickenが一番万人に好まれるようですね。
お値段も1袋£0.65~0.8くらいなので、150円くらいで買えるのはとてもありがたいです。
カレーライス
次点は「カレーライス」です。ただし、ポークカレーやビーフカレーを見かけることは殆どありません。感覚値ですが、9割以上がチキンカレー、さらにはChicken Katsu Curry(チキンカツカレー)です。恐らくは宗教上の理由で牛や豚を食べられない方がいるからかなと思います。
どうやら殆どのロンドナーは「Japanese Curry = Chicken Katsu Curry」だと思っているようです。写真はスーパーで見つけたカレーたちなのですが、右のセットはパン粉が付いている一方で、左の瓶の方は「Katsu Curry Paste」と書いてますがただのカレールーです。笑
さすがにレストランで食べるカツカレーにはカツは付いていると思います、多分。。
餃子
ちょっと意外に思われるかもしれないのが「餃子」です。
餃子に近い料理は英語でdumplingといい割と各国にあるようですが、日本式の餃子はGyozaという和食としてロンドンでは認識されています。
しかしここはロンドン、油断は禁物です。多くの日本人が餃子と聞いた時に一番最初にイメージするのは「焼き」餃子ではないでしょうか。しかしロンドンでは、揚げ餃子が出てくることが多いです。フライパンで焼くという料理がロンドンは少ないのでそうなったのかなと個人的には推察しています。
安心安全!現地進出した日本のチェーン店
まずはロンドンに進出している日本のチェーン店たちをご紹介します。「基本的には」同じ味なので、安心してご利用ください!
【ラーメン】一風堂
まずは上でも紹介した日本食代表、ラーメンから。アジアを中心に世界に進出している一風堂はロンドンにも市内中心地に4店舗を構えています。
ベーシックな豚骨の「白丸(£13)」と辛めの「赤丸(£14)」など、ラーメンのラインナップは日本と同じで、替え玉(£2)も行うことが出来ます。プラスでパオ(小さめの角煮まん)や丼(チャーシュー丼、チキンカツ丼など)メニューなどもあるのが日本との違いでしょうか。
肝心のラーメンの味ですが、日本との差は感じませんでした!ありがたい…。
他にもたこ焼きや枝豆、唐揚げなどの単品料理なども充実しているようなので、ラーメンだけ食べに行くのも良し、飲み会的に使うのも楽しそうです。
Ippudo Central Saint Giles
[HP] https://www.ippudo.co.uk/
[メニュー] ラーメン、パオ、丼など
[予算] £15前後
[店舗] Zone1-2に4店舗
【うどん】杵屋麦丸
日本でもショッピングセンターなどに入っていて家族連れなどで賑わううどん屋の杵屋麦丸。なんとロンドンの一等地、ユーロスターの発着駅でもあるセントパンクラス駅の構内で営業しています!
私は渡英直後はセントパンクラス駅を基点に新生活を始めていた為、最初の一か月だけで数回利用させて貰いました。笑
上の写真は左が「かけうどん」+餃子(揚げ)で、右が「釜揚げうどん」+唐揚げです。どちらもお出汁がちゃんと効いたつゆは美味しかったです!一方、写真でも分かるかもしれませんが麺は少し細めだったので、太くてコシのあるうどんが好きな方は少し物足りなく感じるかもしれません。
価格は前提、日本とは物価が違うので比べたら負けです。2023年3月時点でのメニュー表で見てみると、
・かけうどん £5.6
・釜揚げうどん、しょうがうどん £5.95
・きつねうどん、わかめうどん £6.95
・豚骨ポークうどん(!) £12.95
・天ぷら類 £2.5~£3.0
とのこと。
日本円に換算するとかけうどんが、1000円を超えると考えると高いは高いです(1£= 185円で計算)。ただ、その辺りにある普通のチェーン店のコーヒーが£3.5くらいすることを考えるとそんなものと諦めてください!笑
うどんの種類はたくさんあるので、日本で食べれないような「豚骨ポークうどん」などもぜひトライしてみてください!
Kineya Mugimaru (St. Pancras駅)
[HP] https://www.kineya.co.uk/
[メニュー] うどん、天ぷら、カレーなど
[予算] £10前後
[店舗] St. Pancras店、Ealing Broadway店、Cambridge店
【うどん】丸亀製麺
続いてもUDON Noodleです。日本でも大人気の丸亀製麺は、ロンドンでもどんどん数を増やしています!私がロンドンに住んでいた2年間で3~5店舗くらいは増えたような気がします。
気になるお味ですが、日本の丸亀製麺と殆ど同じです!麺も杵屋とは異なり通常のうどんの太さですし、お出汁も良い感じです。日本と同様店内で麺を打っているようなのですが、麺のモチモチ度は少しだけ日本の方が強いように感じました。モッチモチの讃岐うどんが好きな方は少しだけ違和感を覚えるかもしれません。でも美味しいです。
そして、値段は以下のような感じです。天ぷらも£2~3くらいなので、価格帯的には杵屋とそこまで変わらないですね。私はうどんもですが、時々チキンカツカレーを食べに行ってました。カツがサクサクで美味しかったんですよね。
・かけうどん、BK(ぶっかけうどん) 小: £4.95、中: £6.95、大: £8.95
・カレーうどん 小: £7.45、中: £9.45、大: £10.45
・チキン照り焼き丼 小: £11.45、大: £12.45
・チキンカツカレー 小: £8.95、中: £10.95、大: £11.95
現時点でどうやらロンドン市内と郊外含めて10店舗ほどあるそうなので、うどんあるいはチキンカツカレーが食べたくなったらぜひ。笑
Marugame Udon / St. Christopher’s Place
[HP] https://marugame.co.uk/
[メニュー] うどん、天ぷら、カレーなど
[予算] £10前後
[店舗] Bond Street、Oxford Circus、Liverpool Street、WaterlooなどZone1の駅近くを中心に10店舗(詳細はHP参照)
心のオアシスたち(ロンドンの日本食レストラン)
ここからは日頃お世話になっている日本食レストランたちをご紹介します。私が実際に行ってホッとしたお店たちですのでご安心ください!(私の味覚がズレていなければ、ですが…)
COCORO
一件目はCOCORO。ロンドン中心部に三店舗あるようですが、私が行ったのはBond Street近くのMarylebone店。
推しポイントはメニューの豊富さです。
ランチメニューは寿司、ラーメン、うどん、どんぶり、定食などそれぞれ複数種類あり、値段も£15前後から食べることが出来ます。
背脂味噌ラーメンというおよそロンドンでは巡り会えないと思っていたメニューを食べて、パワーを貰いました。
また、一度夜に行った時は複数人でしゃぶしゃぶを食べました。日本の飲み会のような、懐かしさを噛みしめながらいただきました。とても美味しかったです。
Marylebone以外にも、British Museum近くのBloomsbury店、少し北のHighgate店もあり、それぞれメニューが違うようなので気になる方はチェックしてみてください。
Cocoro (Marylebone店)
[HP] http://cocororestaurant.co.uk/ja/restaurants/marylebone/
[メニュー] 寿司、ラーメン、どんぶり、一品料理(タコ焼き、卵焼き、揚げ出し豆腐など)…etc
[予算] £15-20程度 (ランチ)
[店舗] Marylebone店: Bond Street(Elizabeth線、Central線、Jubilee線)から徒歩5分ほど
Japanese Restaurant Seto
次は活気溢れる若者の街、Camden Townの近くにあるSeto。こちらも何度かランチに、一度夜にも利用させてもらいました。
メニューはとても豊富で私は1回目はカツ煮を、2回目はあんかけ焼きそばを頼みました。
カツ煮はそれ自体も美味しいのですが、付け合わせのポテトサラダや味噌汁も身体に染みます…!そして、名物あんかけ焼きそばは具沢山バンザイ!エビ、豚肉、野菜と具材が豊富でなおかつ値段も£11(サービス料込)とロンドンでは良心的な価格帯でした!
他のランチメニュー(ラーメン、丼ぶりなど)も大体£10~13ほどで食べることが出来ます。
また、夜に訪れた際は揚げ出し豆腐、刺身などの一品料理を中心に頼みました。居酒屋のような感じで色んな料理をいただけてとても幸せな時間でした。ランチもディナーもおすすめです!
Japanese Restaurant Seto
[メニュー] ラーメン、どんぶり(鶏照り焼き丼、中華丼など)、定食(餃子定食、野菜炒め定食、カツ煮定食など)、カレー、焼きそば(あんかけ焼きそばも)、一品料理(刺身、揚げ出し豆腐など)…etc…etc
[予算] £10-15程度 (ランチ)
[店舗] Northern線 Mornington Crescentから徒歩5分ほど、Camden Townから徒歩7,8分
【番外編】ローカルなJapaneseレストラン
ここからは番外編ということでローカルの和食チェーンを幾つかご紹介します。「本物の日本食かどうか」は皆さんに判断を委ねます。話のタネに挑戦してみるのも楽しいと思います!
Wagamama
ロンドンにある程度の期間滞在したことがある方はきっと見たことがあるこのロゴマーク。イギリス、ないしヨーロッパでチェーン展開している日本食チェーン、Wagamamaです。
ヒースロー空港にも店舗を構えるなど繁盛しているようです。
私は縁あって2回行ったのですが、どちらもとても強く記憶に残っています。
一回目は牛照り焼き丼という日本ではあまり見ないけど美味しそうなものにトライしました。実食してみると、「美味しい。ゴマ油が効いていて、横に添えてあるキムチとの相性もとても良い!……あれ、これビビンバじゃね?」。完。美味しかったのは美味しかったです!
二回目は野菜餃子ラーメン(Vg/V)を食べました。それだけ聞くと全然美味しそうなのですが、ポイントはこのVg/Vです。ご存じの方もいらっしゃると思いますがVgはベジタリアン、Vはビーガンを意味します。すなわち、一切の魚や肉、乳由来の材料が使われていないということです。お察しの通り、塩辛いだけのスープはとてもとても…(以下略)。出汁は世界に誇るべきとても重要な文化だと強く思いました。
Wagamamaの公式サイトより(https://www.wagamama.com/)
Wagamamaは香港の方が創業されたということで、日本食の中にどことなくAsian全体の風が吹いているような感じです。実際メニューにパッタイなどもあります。
予算としては食事が£12-15くらい、飲み物を入れて£20弱くらいでした。ローカルの方でいつも賑わっているお店なので、ぜひ社会勉強の気持ちで一度試してみてください!
Wagamama
[HP] https://www.wagamama.com/
[メニュー] ラーメン、どんぶり、焼きそば、餃子、サラダボウル…etc
[予算] £15-20程度
[店舗] セントラルの各所
Wasabi
市内中心部や駅構内などにも入っており、気軽に食べることが出来る日本食のチェーン店です。ただし、Wagamamaと違って店内に飲食スペースは殆どないことが多く、レストランというよりはテイクアウェイが中心のお店です。
メニューとしては、チキンカツカレー、焼きそば、お寿司、餃子、枝豆、サラダなどランチにぴったりのラインナップ。価格帯としてはカレーやお寿司が£6~8ほどです。サンドウィッチよりは高いけどレストランで何かを食べるよりは安いという絶妙なラインです。
気になるお味ですが、私は何度か利用していますが美味しくいただいています。
カレーは由緒正しき日本のカレーの味がしますし、お寿司に関しても全然合格点でした。こちらで出会うお寿司の中には、シャリがパサパサすぎて「米+魚」を食べているような感覚になるものもあるのですが、Wasabiのお寿司はそんなことはありませんでした(酢飯かと問われると怪しい気もしますが…)。
どちらもWasabiの公式サイトより(https://wasabi.uk.com/)
また、Wasabiのカレーや焼きそば、餃子はスーパーでもお惣菜として販売しています。それだけ人気ということです。カレーや焼きそばが£4.5、餃子が£3弱くらいで、店舗で買うより安いので時々晩ご飯を作るのが面倒な時などに利用しています(ただし、総菜版のカレーはお米がパサパサなのでご注意を…)。
Wasabi
[HP] https://wasabi.uk.com/
[メニュー] チキンカツカレー、寿司、焼きそば、餃子、トムヤムスープ…etc.
[予算] £10以下
[店舗] セントラルの大通り、鉄道駅などに併設されていることが多い
まとめ
という訳で長々と紹介してきましたが、ここに書いたのはふと食べたくなった時に駆け込める比較的リーズナブルに食べられるお店たちです。
ありがたいことにロンドンはたくさんお店があるので、もう少しお金を出せばもちろん本格的な日本人シェフが作る和食を食べることも出来ると思います。
たまの贅沢にそういったところでご飯を食べるのも満足感が高そうですね。
日本食に限らないロンドンの食費、食事事情に関してはこちらの記事にまとめているのでぜひ合わせてご覧ください。
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